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執筆者の写真鹿村文助

追悼─現代音楽史の星となった坂本龍一氏を偲ぶ

更新日:2023年11月11日





あの坂本龍一氏がとうとうこの世界から旅立っていった

「どんな人物にも最期の時は必ずやって来る」ことを強く感じさせる訃報だった



2014年に中咽頭がんを患っていることを発表。コンサート活動中止を強いられ、療養生活を送った。その後寛解したが、20年には直腸がんが発覚。6度にわたる手術を行った。翌年、両肺に転移した時にはすでに「ステージ4」だったという。


この10年弱は癌との闘病で過ごしていたとのことで

やはり逝去の理由になった癌の所見がラグナ特定における足掛かりとなった













逝去した日時は「2023年3月28日」で

ダシャー上ではスークシュマもプラーナも水星期だった



ラーシを魚座ラグナの10度ほどの位置にすると

健康運を示すドレッカナは蟹座ラグナになり

土星は7室8室支配のマラカで

「難治性の疾病」を意味する8室には癌( 腫瘍 )の表示体のラーフが住む



土星が住む11室は6室から6室目で「傷病からの回復力」が示されるハウスである



土星には火星以外のアスペクトがなく土星のディスポジターの金星には

土星自身とマラカの7室に住んだ2室支配のマラカの太陽がアスペクトしてしまう



シュークシュマ以下のダシャーの水星期は

月とコンジャンクトしてプラティアンタルの金星と絡んだ配置になり

本来のラグナからは3室12室支配で月からは3室6室支配の完全な凶星として働く



やはり臨終の節目を知らせる時運だったと判断できそうだ



癌を表意するラーフのディスポジターの土星はアンタルの月と絡まないが

むしろ土星が月の2室目に位置するのは坂本氏の患った「中咽頭癌」という疾病の部位を指し

その土星にアスペクトする火星は5室10室支配のヨーガ・カーラカだったため

罹患した翌年( 2015年 )のプラティアンタルダシャー火星期頃に手術を受けたと判断できる







魚座をラグナと仮定したラーシでは

7室( マラカ )に住んだマラカの土星がダシャーラグナで

更にまたナクシャトラの絡みも起きる有意な所見があった



土星が住む「ハスタ」は月が支配していて配置と無関係にマハーとアンタルが関わり合い

月の住む「プールヴァ・パールグニー」も金星が支配するので

主要ダシャーの時系列通りに「土星→月→金星」の絡みが生じており

実際の配置ではプラティアンタルの金星がマラカの土星にアスペクトされ

金星は火星と星座交換して金星のマラカの象意がまたマラカの2室と深く結びついていた





なおかつ魚座がラグナになると

今すでにフライングしている新しいダブルトランジットは2室と6室に生じる



「傷病」( 6室 )の「致命的な悪化」( 2室 )という経験でダシャーと相応し

12室水瓶座のラーフにディスポジターの土星がトランジットで定座すること自体が

集中治療室( ≒「病院の表示体」たる水瓶座と12室 )で氏本人が臨終に向かう状況を描いていた




デビュー当時から若年期の私生活を振り返る




1952年、東京都中野区に生まれた。父は河出書房の編集者で、三島由紀夫や野間宏、中上健次、高橋和巳などを担当した坂本一亀。母・敬子は帽子デザイナーで銀座の宝石商に勤務。




父親は稀代の辣腕編集者であり

調べると「作家に怒鳴り散らしていた」などの逸話が散見される





ラーシの9室蠍座をラグナとすると

ラグナロードがマラカの金星と星座交換し「芸術業で裏方を務める」ような立場が伺えて

かつ3室には10室支配の太陽が住んで二重にメディアに深く関わった職業を意味し

それも土星が支配し火星を高揚させる手厳しい山羊座であるためか

常に辛辣な職務意識の志の高さが見て取れる



母・敬子は帽子デザイナーで銀座の宝石商に勤務。






帽子デザイナーだったという実母は

双子座がラグナになるとやはりその人物像が明確で

4室で8室9室支配の土星がラージャ・ヨーガを帯びて「いつも悩んでいる」人柄を醸し

5室は星座交換して強くなった火星が金星の象意と共に11室にアスペクトを返す



試行錯誤で成果を出すデザイン業は吉意を含んだヨーガの土星や強い11室で表意される



即ち宝石商という最高にプロフェッショナルな品格の許で自己研鑽し続ける職業は

11室の象意と12室の象意が度々に反復してその仕事に対する過酷な評価を指し示す



5室支配の金星と6室支配の火星の星座交換は「プライドの高い恋愛観」を与えるが

4室に住んだラージャ・ヨーガの土星がアスペクトを与えて職人的な気質へと昇華させ

10室の本質である7室射手座からラグナロードがアスペクトバックする配置と

そのディスポジターの木星が10室でマハープルシャになった優良な吉意によって

文化と芸術に対する素養が活かされた職業( デザイナー )を明示している



10歳で東京芸術大学教授の松本民之助に師事し作曲を学び始める。


こうした上流階級に属する文化的な両親の導きから一種の英才教育を施されており

それはダシャーに照らすとナヴァムシャを天秤座ラグナとした場合に正しく説明できる






天秤座がラグナになると

月は10室支配になってニーチャ・バンガのチャンドラ・マンガラ・ヨーガになったり

ガージャ・ケーサリ・ヨーガを組んで客観的にも早熟な才能が芽生え出す少年期だと言える



月とヨーガを組む木星は3室のラーフのディスポジターで

楽器の演奏を意味する3室の支配星であり

月自身から見て5室へとアスペクトバックして月は9室支配で最良なコンジャンクトとなり

本来のラグナから見直すと10室支配の月に機能的凶星の木星という組み合わせのために

とても高名な大学教授( ≒木星 / グル )から作曲の実技を訓練されるのである



( なおラーシでは月がケートゥと6室でコンジャンクトし退屈で辛い時期だったようだ )



この頃は特にピアノが好きではなく、むしろ苦痛だったという。しかし14歳の頃は「自分はドビュッシーの生まれ変わりだ」と半分信じていて、サインの練習までしていた


14歳の頃は

「月-水星期」に入っていたことで土星期の忍耐・奮闘が知的成熟へと成長した時で

ラーシでは水星が10室から4室にアスペクトバックし

ナヴァムシャは最も強い9室対10室のダルマ・カルマ・ラージャ・ヨーガとなる



特にナヴァムシャは月から見て9室に住んだ11室支配の水星に木星が更にアスペクトする



天秤座ラグナでは水星が9室12室支配で抽象表現の才能を担う表示体のように働くので

「自己表現・パフォーマンス」の3室を支配した生来的吉星の木星が絡む所見は

確実に後の未来で世界的な音楽家へと大成する未知数の可能性を示していた



1970年東京芸術大学入学。大学在学中、民族音楽学研究の泰斗小泉文夫の講義を受け、その内容の深さに坂本はそれまで培ってきた音楽観の根底を揺さぶられるような大きな衝撃を受けたという。





この時期に差し掛かると

いよいよラーシの強烈な星座交換が働き出す頃になり

8室対9室で「グルの教えに従う」経験が月から見ると9室対10室の絡みで

奥の深い典雅な学びを更に積み重ねていく音楽的円熟の始まりだった



ナヴァムシャは2室蠍座でその素養が水の星座に起きた旺盛な吉意のヨーガで示され

減衰の月が沈潜した心象表現を育て続ける理想の所見になっている



1975年、大学院在学中に新宿ゴールデン街で意気投合したという友部正人の『誰もぼくの絵を描けないだろう』にピアノで参加。スタジオ・ミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせる。


( 同レコードに採用されたイメージショットの左側の青年が当時の坂本氏だろう )




そして東京芸大在籍中に音楽活動の第一歩になる出会いからプロのピアノ奏者として独立





上記のソースではその日時( レコード発売日時 )が

1975年3月21日」とあり

ダシャーは「火星-金星-ラーフ期」である






「独立・願望成就」を占断するD11ではものの見事に火星金星がマハープルシャで相対し

ラーフはまさにラグナに住んでいる






ダシャムシャにおいてはプラティアンタルのラーフが絡みを起こせないが

月とラーフのディスポジターは10室に定座したマハーダシャーロードの火星であり

つまり火星とそのアスペクトを受ける金星の大局運が働くだけであっても

火星が月にとってのラグナロードなので大いに運気が励起される時局だったと言える



このデビューから自主的なグループセッションのキャリアを重ね

活動開始から3年を経た1978年2月に後の歴史を生み出した出会いが果たされる



1978年2月19日に行われた細野のソロアルバム『はらいそ』に収録される「ファム・ファタール」のレコーディングの際に、坂本龍一、高橋幸宏の2人と、初めて3人で顔を合わせることとなった。




説明不要な日本のデジタルミュージックの先駆けたるYMOの結成である






「1978年2月16日」というのはYMO3名が合流した日時であり結成年月日ではないが

ダシャーは「ラーフ-ラーフ-水星期」から約1ヶ月後でラーシでは7室対10室の絡みとなり

ラーフ自体は12室水瓶座という配置が「音楽界・芸能界で始める奇抜な実験創作」を意味する



ラーフは諸派ある古典の定義では水瓶座で定座したり高揚するとした口伝もあるため

具象としては「電算技術・電子製品」の普遍的なプレゼンスを司る水瓶座に

ほぼ似たような意味のラーフ( 天然自然には存在しない人為的な産物 )が住むと

やはりメカニカルな電子楽器の表示体となってその象意が強く見える化すると言える






ナヴァムシャはラーフのディスポジターの木星が水星にアスペクトし

木星と絡んだ水瓶座に住むラグナロードの金星は5室に在って二重に「音楽」を意味する



この金星がやはり電子音楽の表示体のように働くだけでなく

定座の火星がアスペクトして音楽性や志向がやや過激になる所見で

後にRCサクセション忌野清志郎とグラムロック風のメイクでPlayして

パフォーマンス中に男同士で不意にキスをして見せたり

90年代以降は高名な左派系の文化人として保守の文脈と敵対する立ち位置を築く等した



水瓶座の金星というのは対向の獅子座から見ればかなり異質な個性である



吉意の絡みであれば優れた能動的な前衛創作を実践し

保守本流にとっては端的に「創造のための破壊」を見せつけてくるアウトカーストと言える



ボーダーフリーの自由やLGBTQの原初の価値観はやはり水瓶座であり

ラーフや金星が関わるとハードコアなファッションと実践の表示体となって働く



それでも坂本龍一その人が「教授」と仇名されるのは

ナヴァムシャで11室支配の太陽が4室( チームワーク・キャリア )でヴァルゴッタマだったり

吉祥なヨーガ・カーラカの土星が9室支配の水星と10室でコンジャンクトするからで

あくまで個人としての実像は「音楽を言葉の代わりにした思想家」なのである





ラーシは

ラグナロードが水の星座の魚座でディグバラのマハープルシャになった木星で

この配置だけであれば明確に戦中戦後の時代に高位な階層に生まれた保守派の文化人だが

対向位置に住んでまたディグバラになったマラカの土星と木星が互いに影響し合い

長い年月の中でナヴァムシャのラグナロードが示す状態へと緩慢に変異したことを示す



乙女座は往々にして宗教や政党運動に入れ込む傾向のある星座で

私自身がそうだったように実践的な価値観やら意味論やらを求めて貪欲に学びたがる



乙女座の土星というのはある種の「社会主義的なニヒリズム」を含むらしく

ラグナから見た乙女座が5室や9室や11室などに位置して土星が住んだり

支配星の水星が強くなったりするとそのチャート本人は審美眼に厳しい合理主義者である





であるためか

上記のような言動が「利他的に装ったエゴ」を隠し持っていると曲解された過去もあり

ラーシのラグナで機能的にも吉意だけ与える最良な木星がマラカの土星を和らげてはいるが

魚座の木星が醸し出す性善説的な理想が乙女座的な相手に否定されたり

逆に乙女座的な四角四面の是々非々な態度で極端な発言をしがちだったとも言える





土星のナクシャトラは私のラグナと同じ「ハスタ」で

「握られた手」の象意から独自の手練手管で魅力的な自己表現の才能を誇る



弁論や手品や演芸の素養が与えられる傾向があり

支配星の月は5室支配で6室に住むケートゥとコンジャンクトするため

「獅子座の月」( ≒保守層の文化人 )を巧みにやり込めて優位に立てる個性がある



月の位置は土星の12室目でつまり月の2室に土星が住む配置であることは

やはり譲りたくない善悪の価値観が無心のまま働いていた傾向を指し

月の8室目で定座した5室( 思念 )支配の木星のアスペクトが左派的な立場を後押ししていた




奇遇な出会いと世界的な評価








YMO結成から3年後の「ラーフ-土星期」は

ラーフのディスポジターの土星が木星とラグナ対7室で対向するかなり重要な時運だった



アンタルの土星期が始まって8ヶ月を過ぎた頃に

やはり坂本氏を世界に知らしめたあの戦場のメリークリスマスが撮影開始していた事実は

ラーシを魚座ラグナとした場合に明快である





ナヴァムシャも木星がラーフのディスポジターになって土星へアスペクトし

機能的凶星の木星に対し土星がヨーガ・カーラカでラーシとは全く逆の絡み方である



射手座のラーフが「芸能活動」の3室に住んで10室でラージャ・ヨーガの土星に絡むので

おそらく海外へ向けた進路が開かれて成功とその後の躍進をもたらしたことが伺える

( 射手座は「途轍もないほどの遠方」を意味しラーフは「外国・外国人」の表示体だからだ )






ダシャムシャは火星自体と土星が絡んでおらず

ラーフと土星はトリコーナの位置関係で土星はラグナへとアスペクトバックする



ラーフとコンジャンクトした月から見た土星は10室11室支配の重要な惑星で

月の11室目にアスペクトバックできる配置でラーフと絡む位置関係だったことが大きい



映画音楽を初めて手掛けたのは1983年の「戦場のメリークリスマス」。大島渚監督からは俳優としてのオファーを受けたが、「音楽を任せてもらえるなら出演します」と条件を付け、快諾を得た。


上記の事実というのがやはり音楽家としての世界デビューの足掛かりだったが

ダシャムシャで土星のアスペクトバックを受けるラグナの金星は音楽の表示体である



水瓶座ラグナでは金星が4室9室支配の最良なヨーガ・カーラカとなる



金星が9室も支配して二重に音楽の表示体になることで

ダシャムシャのラグナで9室支配のラージャ・ヨーガになった配置こそが氏の真正なる姿だ



また

映画撮影中のエピソードはなかなか面白く

それもおそらくラーシ等で説明できるはずである



台本をまったく覚えずに現場入りした坂本は、当然ながら上手くセリフが言えず、大島から怒られるようなシチュエーションを自ら作ってしまったが、彼はなぜか相手役に「お前がちゃんとしないから坂本君がセリフ話せないんだろう!」と怒ったという。この大島の一種の配慮により、たけしと坂本は無事クランクアップを迎えることができた。





ラーシにおいては土星がそのままラーフのディスポジターで

12室と7室が関わって「外国に出向いて重い務めを果たす」と言える経験が生じ

即ち不慣れな俳優業への本格的な挑戦だったのだが

やはり氏本人を魚座ラグナと仮定すれば

ラグナでディグバラのマハープルシャになった木星が

7室で同じくディグバラの相当にキツい土星の働きを吉意で等しく打ち消している



この7室の土星というのが間違いなく映画監督・大島渚を表意していると分かる









大島渚監督はかなり激情家の創作者としてよく知られていたが

自身の監督作品では主演格の俳優にはなるべく経験のない素人を好んで採用する主義だった



それはラーシの7室で高揚したマハープルシャの木星が6室( 目下の相手 )に逆行するからで

双子座に逆行する木星が10室天秤座や2室水瓶座にアスペクトで生来的吉意を恵む影響で

チームワークや作品のバランスを常に細やかに鳥瞰する客観力で映像美を紡いでいた



マハープルシャの木星が同じくラグナでマハープルシャの土星に生来的吉意を与えて中和し

土星とコンジャンクトした月が木星と向かい合うのでガージャ・ケーサリも並立する



大島渚本人も文化的な立ち位置は反権力反体制であり

やはりラグナと月の両方から見て7室( 10室の本質 )で高揚した機能的凶星の木星が

そうした秩序への反抗心や格下の若年者が持つ世俗に汚れていない純粋さへの共感となった



しかしながら

7室で高揚する猛烈なマハープルシャの木星は3室12室支配で逆行してしまうせいで

明らかに大島監督本人が親近感を持つ相手は前衛的な才能を秘めたアウトローばかりである



私的交友が長かった相手にはあの火垂るの墓であまりにも有名な野坂昭如が居り

監督本人の結婚30周年を祝う席で酔った野坂が遠慮なく監督を殴りつけたことは歴史的だ



そしてこの戦場のメリークリスマスで主演級俳優の一人に採用したのが

デヴィットもまた独自の感性から奇抜なスタイルで自らを演出する前衛ロッカーだった



上記2名に比べるとまだまだ正当な上流階級出身の坂本氏であるが

1980年前後に電子楽器でヴォーカルのない不思議な創作音楽を発表したり

デヴィットを物真似したかのようにグラムロックの風貌で忌野清志郎とキスしていた姿は

当時の大人達からすれば十分に「イロモノ」だったはずで

確かに大島監督の7室に住んだ凶星の木星を体現していた






1982年8月初旬に映画ロケ地のラロトンガ島に踏み入った当時

大島監督のダシャーは「木星-ラーフ-ラーフ期」で

ダシャムシャはラグナに住むラーフのディスポジターがまさにラグナロードの木星で

木星が9室へ逆行することでラグナにアスペクトバックして最高の絡みが出来ていた



それに対する坂本氏本人のダシャムシャは

偶然に監督のダシャムシャと同じ位置に土星が住んだ配置だった






そしてダシャー自体もまさにアンタル土星期になって9ヶ月ほどを経た時で

土星は大島監督のラーシのラグナロードでもあり

やはり同じ経験を共有する者同士はダシャーにおいても共時性が現れるのである



戦場のメリークリスマスは惜しくも期待された通りの受賞を果たさなかったが

坂本氏自身は英国アカデミー賞 作曲賞を賜り

優れた若手音楽家であることが世界に知られることになり

後の映画「ラストエンペラー」の楽曲制作が氏の史上最大の功績に通じる切っ掛けを作った







やはり氏本人のダシャムシャで

ラーフと土星が絡んでラグナに土星がアスペクトを返したり

ナヴァムシャでラーフのディスポジターの木星が

5室対10室の絡みを持つラージャ・ヨーガの土星にアスペクトする配置が

それを証明している





英国アカデミー賞受賞の経験は上記の歴史的快挙の予兆だったのだから

その秘めた潜在力のほどはやはり破格だった



映画「ラストエンペラー」の劇中楽曲の制作はおそらく1986年中のいずれかの時期で

プラティアンタルが特に絡みのある機能的吉星だったはずだ






「ラーフ-水星-木星期」であれば

ラーフのディスポジターの火星とトリコーナの絡みになった水星と木星は

木星が水星をニーチャ・バンガしてとても強いため

水の星座の魚座が持つ優美な音楽的感性が十二分に発揮されていた時運である






その時局はナヴァムシャでもすこぶる良い配置で

木星がそのままラーフのディスポジターになり水星にアスペクトしていた






「ラストエンペラー」は最初にアメリカで1987年11月20日に上映開始となり

そのサウンドトラックが日本で発売されたのは

日本国内での同映画公開に合わせた「1988年1月21日」で

その時期のダシャーをD11に照らすと

プラティアンタルダシャーの木星や土星が

11室にアスペクトしたり住んでいたりして有意な所見になっていた



木星はラーフのディスポジターの太陽とケンドラの位置関係になり

土星はラグナに住むラーフに11室からアスペクトし

アメリカで同映画の公開時の時運と日本での公開時の時運の両方が

十全に良い配置を作ってD11の象意を励起できていた

( 土星は機能的凶星だが土星にアスペクトする木星は機能的吉星でイーブンだった )





ナヴァムシャにおいては

ラーフ-ケートゥ-木星期」が確実に評価や受賞の経験を指示できており

木星からアスペクトされる水星はケートゥのディスポジターで

4室で水星に対向する太陽は11室を支配してヴァルゴッタマの強烈な太陽である



ナヴァムシャを天秤座ラグナとすると獅子座( =アメリカのラグナ )が11室になるため

アメリカで最高位の権威を持った映画祭であるアカデミー賞での受賞を説明できる



ケートゥが住むのは11室の本質に当たる9室で一つの大きな「達成」の経験を示すが

9室的な実体験として坂本氏本人のその心境はケートゥで表意されるので

当然ながら「海外活動の第一歩として慢心せず鋭意を改める」といった結果だっただろう






そして「ラストエンペラー」公開から半年後には

その人本来の評価や自己実現が果たされる「ラーフ-金星期」がやっと巡るほどであり

人生の当為と言うべき本意がこの時に実り始めることを暗示しており

いかに坂本龍一という偉人の生涯が巨大な英雄譚たりえたかを考えさせる




複数回の結婚離婚と実子の存在






上記ソースによれば氏が残した実の子供は3人である



坂本龍一さんの1度目の結婚は1972年。
東京藝術大学時代になります。
お相手は2歳年上の一般人の方で、坂本龍一さんは当時はまだ名前も売れていない頃なので、顔画像やどんな方だったのかという情報はありませんでした。
子供はひとり、娘が誕生されています。
娘さんの名前は「あきこ」さんと言われるそうです。

( 同上 )



おそらく最初の子供が懐妊となった時点のダシャーは「火星-水星-火星期」頃のはずである






サプタムシャでは全ダシャーが絡んでおり

月から見ると火星は11室( パートナーの7室から見た5室 )で定座し

火星がアスペクトする水星はやはり月から見た9室の支配星である



月の住む山羊座からではその配置はあまり良いとも言えず

月のディスポジターでラグナロードの土星は8室に住んで

9室支配の水星にアスペクトする絡みを生じてはいても

水星土星の相互アスペクトは本来なら「強い不妊」を意味する凶星的な所見である



ただし射手座に定座した木星がアスペクトによる吉意を双子座や土星に与えていて

結果的に子供の懐妊が果たされたと判断できるが

土星自体は本来のラグナからでは大凶星として12室で定座の金星にアスペクトし

火星もマハープルシャになることで7室を凶意のアスペクトで傷つける






ナヴァムシャはまだまだ良い配置で絡みが起きていた時運で

定座の火星と9室支配でラージャ・ヨーガの水星に木星が絡んでいた



月から見ると蟹座は9室になり

月はそのまま水星のディスポジターになって火星とコンジャンクトし

魚座にアスペクトバックする木星ともコンジャンクトするため

どうにか子供が生まれ得る所見だったようだ






ちなみに婚約の経験そのものを確かめると

火星は8室( 結婚生活 )で星座交換によって定座したように働き

9室蠍座に伏在した状態で双子座にアスペクトするが

火星の本来の位置である天秤座をラグナにすると双子座は9室で子供を意味し

水星のディスポジターは本来のラグナで最高に強くなった木星で

子供の表示体という以上に「7室から7室目」で結婚の本質たるラグナロードである



火星が伏在した9室蠍座に向かってその木星がアスペクトしたり

アンタルダシャーで7室を支配した水星のディスポジターがラグナロードだったことで

「婚約と同時に子供が出来てしまう」その当時の経験を説明できている





二人目の実子である歌手の坂本美雨は「1980年5月1日」の出生で

逆算すると「1979年7月1日」以降に懐妊したことになる






サプタムシャは単純明快で木星がラーフのディスポジターだった



上記のダシャーが確実にそのタイミングと言えるし

その前のアンタルダシャーのラーフ期でも結果は全く同じであり

「ラーフ-ラーフ-火星期」の最終盤の頃でも不自然ではないが

ダシャーチッドラの影響が働かなくなるのはセカンドアンタルダシャー以降なので

「ラーフ-木星-木星期」が最も妥当な時節だと判断できる






ラーシにおいても疑う余地の無い絡み方が出来ており

ラーフのディスポジターは7室に住んだ土星で婚約を意味し

木星も土星もお互いにディグバラとなった高威力な配置で

木星が直に子供を明示するのでやはり事実婚から妊娠するといった経緯だろう




それから






坂本龍一と空里香との子供!
話は少し戻りますが、坂本龍一さんと空里香さんは1987年に知り合い、1991年に男の子が誕生しています。


3人目の実子に当たる空 音央(そら ねお)という男性は

出生時期が「1991年」とだけ表記されたソースばかりで時運の照合が難航した





上記ダシャーのいずれかだと思われるが

ナヴァムシャとサプタムシャを比較して整合を考慮すると

おそらく「ラーフ-金星-土星期」あたりの可能性が強い






ナヴァムシャでは上記ダシャーが十分に有意で

ラーフのディスポジターはやはり子供の表示体の木星で

金星とは絡んだ配置で金星のディスポジターは5室( 子供 )支配の土星である






サプタムシャはやはり絡みがまるで無いため

レクティファイが誤っている余地も否めなかったが

ラーフのディスポジターの木星が土星に9室目のアスペクトを生じ

木星と絡まずに定座した金星は7室の支配星でもあり

土星にアスペクトされて絡みが起きたその配置は

月から見るとラグナと5室10室の絡みだったことが大きい






ラーシでは比較的に明確な絡みがあったのも判断理由であり

マハーダシャーのラーフに対して7室と9室の絡みが地続きになるからだった



なおこの3人目の実子は空里香という坂本氏の最後の婚約者との間に生まれた子供で

やはり事実婚のままスライドするような結果から生まれた最後の子である



星座交換で9室の支配星のようになった金星にアスペクトする土星は11室12室支配で

木星と対向することで凶意が和らげられているが

当然ながら客観的には「前妻との離婚協議が終わらないままの事実婚」であり

12室のラーフやそのディスポジターがラグナロードや9室に絡んだことを説明している




結びに代えて






今現在の坂本氏のダシャーは「土星-月-金星期」である





「世俗の評価」の象意がそのまま示されるD11は

機能的にも凶星の土星がラグナにアスペクトし

土星と絡んだ位置に住む月はラグナロードのディスポジターで

土星とは絡まないが月と絡んでいる定座の強い金星が

今この時の坂本龍一その人に対する「最後の印象」である



本来のラグナからは10室でマハープルシャとなり

月から見ても9室目で11室の本質であるため

ほとんどの評価は「歴史的なカリスマ」としてその死を崇めるような態度だろう






ナヴァムシャは月が土星のディスポジターとなって

月と絡んだ配置の金星はディスポジターが土星になり

奇跡的な配置の還流が起こっており

ナヴァムシャが天秤座ラグナで正しければ

プラティアンタルダシャーの金星はまさにラグナロードだった





冒頭でも触れた通りだが

ラーシにおいても全ダシャーがナクシャトラのディスポジターとなって時系列がつながる



ラーシに対するナヴァムシャのこうした相関は

不謹慎ながらも「この時こそが逝去すべきカルマの節目」だったとも思える






来月半ばに巡る「土星-火星期」は

土星が3室目のアスペクトを生じる位置で火星が星座交換によって伏在しており

やはりこれから6月22日までの70日強は国内外でその功績と評価が吟味されることになる



偉人のチャートに対するダシャーの影響は「本人の死後も運勢が働き続ける」実証になる



これでまた

ジョーティッシュの持つ “ 聖なる科学 ” としての神秘と価値が試される歴史が刻まれた




改めて坂本龍一教授のご冥福をお祈りいたします




以上

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