間違いなく今年最後の鑑定依頼者様になるお相手方へ昨日夕方に答申し終えた
何とも心持ちの引き締まる「嬉しい激励」を下さったお方で
私のこのブログの読者としてはとてもハイソな立場に在るお客様だった
( チャート公開はご本人より承諾済み )
*****
最初のご依頼事項は
「果たしてこのままドクターを終えて研究職に就くのは正解でしょうか?」
とのことだった
ラーシは
ジョーティッシュの知識を持つ者が一見すればその格の高さが直感できるほどで
「高等教育」の9室は太陽が定座した惑星集中になり
射手座ラグナでも最高に良いダルマ・カルマ・ラージャ・ヨーガのスーリヤ・ブッダになり
おまけに最も厄介なマラカの金星も10室で減衰した例外則にすらなっている
ご本人がそれでも正しい自信を持ち切れないでいるのは
例外則の金星が月をラグナとした場合のラグナロードで
月の12室目で減衰してしまうからだろう
本来のラグナから2室目の山羊座で定座の土星が射手座に逆行し
定座並みの生来的凶意を減衰の金星に対しアスペクトしてしまう
射手座ラグナで土星が定座すれば大凶星として悪意が全開になり
しかも逆行していると「8室の表示体」として物事の成就を強く妨害するように働く
おそらくは
この「2室で定座し生来の才能を体現させながら邪魔もしてくる」という
随分もどかしい土星が逆行することでチャート上に凶意を巻き散らす所見が影響している
土星以外を見直すと火星も似たような状態で
学力の表示体にもなる5室12室の支配星でありながら6室に住んでヴィーパリータを起こす
忍耐と苦闘の末に目標達成が叶うという所見ではあるが
ドゥシュタナを支配した火星・土星が6室に住むと不平不満や劣等感が付きまとうことになり
傍目から見る限りは怠けることなく厳しい仕事ぶりを重ねる真面目な印象であっても
本人は「油断すると遅れが取り戻せないぞ」といった妙な焦燥感で苛立っているはずである
現在は経済学系の博士課程で学位修了を目指す本件依頼者様のお話として
「大学受験の当初は法学部系への進学を望んでいたが経済学系の学部にしか合格しなかった」
というお答えがあった
それは明らかに
6室に住む火星が9室獅子座の惑星集中に12室の象意をアスペクトしてくるからで
9室の持つポテンシャルの方がはるかに強いので結果的に9室の吉意が勝つとはいえ
火星がもたらす阻害のアスペクトや8室支配で11室に住む月に対する土星のアスペクト等が
ご本人の正しい意志を都度都度に妨げてくる様子が確かに伺えるのである
ナヴァムシャは
ご本人の強い悲願の思いが確実に叶う吉相が揃っている
最高に理想的な11室定座でヴァルゴッタマの太陽や
10室にアスペクトバックして教職者になる将来を約束した月や
8室も支配して6室で高揚のヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガを帯びたラグナロード等
秘められた星位の威力が随分と力強く猛っているかのようである
ラグナロードの金星は月から見直すと3室で高揚したヨーガ・カーラカで
歌手や芸能人としての素養を与える配置になりつつも双子座から土星がアスペクトで牽制し
教養の高さや文化人的品格の方向性へと指向が是正されているのが分かる
それは月の12室目で定座した木星も同じであり
山羊座の12室で定座すると以前にラグナ検証で扱ったヒロシ氏と全く同じ配置となるが
対向位置で逆行の土星が強い凶意を木星に与えて抑制する
このため木星や金星の定座した威力が私的な交友関係に影響しなくなり
長い経年において土星が不思議な導きを行いご本人の意思を規矩するが如く働いたようだ
よく見ると
土星のアスペクトは定座高揚し太陽・木星・金星の全てに起きており
今の時点では劣等感に等しい気後れを与えてくる悪影響であっても
「道を過たず正しく踏破せよ」との促しや導きになっていると考えるべきであろう
また
ナヴァムシャで11室に位置が改まったまま定座でヴァルゴッタマの太陽は
それ自体が職業や父親を意味する表示体でご本人のラーシでは獅子座が9室になるため
私がためらずに「ご実父様も同様のご経歴をお持ちのようですね」と尋ねたところ
「父も土木系の分野で研究を続ける大学教授です」とのドンピシャな回答が得られた
客観的なご本人の将来を写し取ったダシャムシャも文句なしの所見で
5室10室支配の重要なヨーガ・カーラカになった火星が4室でラージャ・ヨーガになり
見事に10室にアスペクトバックする位置は月から見た3室目で月からでも10室支配になる
6室9室支配で11室に住んだ誇り高い木星が
アンタル・ダシャーで巡って来る度に「これで正しかったんだ」と矜持を噛みしめる様を示す
ダシャムシャに対する成果の分割図としても読めるエカダシャムシャは
このように2室9室支配で「才能の表示体」のようになった火星が11室で高揚し
なおかつ火星はこのご依頼者様のアートマ・カーラカである
以上の結果から
「果たしてこのままドクターを終えて研究職に就くのは正解でしょうか?」との問いに
現状維持のま前進するよう私は自信を持って答えた
D3その他から診る海外移住の可能性
有意なバイオロジカル・ファクトとして
ご本人様から「中学生の頃に心房中隔欠損症の手術を受けた」との情報提供があった
単純に「すでに経験した出来事」が描写されるドレッカナを伺う限り
それは凡そ「木星-土星-月期」であることが想像できた
木星-土星-月期
健康運も兼ねるドレッカナにおいて「胃・心臓・脳」の5室を支配するのは木星で
9室に住んで火星のアスペクトバックで生来的凶意を受けたり土星に逆行されたりしている
配置の妙と言えるのは土星が逆行すると火星と土星が仮想の星座交換になることであり
6室7室支配のマラカで逆行した劣悪な大凶星の土星が突然の傷病を意味し
5室支配で心臓の表示体となる木星に土星が覆い被さって火星( =メス )の影響が顕現しつつ
土星にアスペクトバックされる月は「水瓶座に住んだ12室の支配星」で入院の経験を意味する
7室は「全く未知な場所」も意味するので
病院を指すサインの水瓶座に12室の支配星が住めば即ち入院生活の経験と見なせるのである
( 12室は「外からは中の様子が見えない場所」で病院や学校などを暗示するハウスだからだ )
木星-土星-月期
傷病の経験も示されるシャスタムシャは
やはりこのように木星が土星にアスペクトし
土星も逆行すれば木星にアスペクトし返して月と相対する
こちらでも逆行の土星がマラカになってかなり強い凶意を5室支配の木星に与え
12室支配の月が7室支配の土星と相互アスペクトしたようになり
「心臓の部分的な不健全を治療するために入院していた」と言える配置になる
それから
入院の経験を説明するその配置は
木星が「外国の表示体」のラーフのディスポジターで
9室( 外国 )に住んで7室( 未知の土地 / 外国 )を支配した土星に逆行され
7室と9室が星座交換したように働く配置から
7室に12室支配の月が住むことも影響し
いずれは外国に長期滞在するか移住することが想像できる所見にもなっている
( D3のラグナロードの太陽も5室でラーフとコンジャンクトし木星がアスペクトバックする )
今般の鑑定ご依頼事項には「住むのに適している国や地域はどこか」というご相談があり
方位占断の知識や実践が全く無かった私は
潜在的なご本人様の傾向として考えられる可能性をラーシ・ナヴァムシャその他から考えた
客観的な住居運が現れるD4はラグナにケートゥが住み
自らの住まいに対し良い意味で無頓着な傾向を意味しつつも
ラグナロードで実際にD4のプライマリーハウスたる4室も支配した水星が
4室を失う3室でヴァルゴッタマになっている
水星に対しては太陽が「外国」の9室からアスペクトバックする有意な配置で
7室射手座にはまたも外国の表示体のラーフが住んで木星も12室に住んでいる
( 木星は月をラグナにすると12室を支配して月にアスペクトし月もアスペクトバックする )
何か獅子座の象意に対しやはり有意性が見られる
そもそもラーシで惑星集中した獅子座は「太陽が定座した9室」であることから
12室支配の火星がアスペクトで余計に触発を与える余地も考慮し
安直ながらも「いずれはアメリカに研究目的の渡航で駐留するのではないか?」と
最も大きな見込みを疑った
ナヴァムシャにそうした趣意が出ていないかと眺め直して
7室と12室が星座交換する配置に気がついた以上に
定座の太陽が「12室から12室目」の11室であることを考えて
「博士号取得後にアメリカで教職に就く」という未来が見えて
私は久々にまた膝を叩いて納得の感嘆を声に出した
獅子座がラグナであるアメリカに対しこのご依頼者様は縁を持つはずである
私が早速「将来にいずれはアメリカに渡る可能性が見受けられます」と答申すると
なかなかに興味深いご返答があった
アメリカとの縁は常々感じていたところです(好きな国というわけではないです).
コロナ禍以前にはワシントンのほうへ資料調査へ行ったりしていたこと,また日系移民の親戚がサンフランシスコにおり以前会いに行ったりしていたこともあるため,なるほどといった印象を受けました.
( 依頼者様ご返答原文ママ )
ヒネリの無い直球な私の判断はむしろ正しかったのである
図らずも依頼者様のご親類との関係がチャート上にも現れていたことが分かった結果で
不覚にも「well-done」な鑑定結果を導出できた私は円満な安堵感で満たされた
*****
という訳で
今年最後のご依頼者様に満額回答が無事に叶った良い仕事納めに出来た
実際にはまだ1件ほど鑑定依頼に関係した別事案も残っているが
本件のご依頼者様が購入者の順番では本当に今年最後だった
来年のことなど千里霧中くらいの真っ只中だが
自分に出来ることは何でもやろうと思い取り組んだ私の意思に
偶然こうした成果が「与えていただけた」という所感である
大晦日こそは
思い残さず静かな心境で
過去一番の大きな変化となった1年を振り返っていたい
万端の思いで来年の初日の出を拝めることを望む
以上
Comments