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執筆者の写真鹿村文助

急逝してしまった上島竜兵氏のラグナ検証

更新日:2022年5月15日









またしても目と耳を疑い絶句に暮れる悲報がテレビから漏れてきた



幼い頃からダチョウ倶楽部をよく知っていた私や私より年上の世代には

本当にあり得ない衝撃で朝から呆気に取られてしまった昨日の今日という有様だ



とにかく本人の人生上で有意なエピソードを集約しレクティファイをせずにはいられない








上島氏は俳優を目指し上京するも初志を断念しコメディアンに転身して大成した方だ

1994年に物真似タレントの広川ひかる氏と結婚している



上記のチャートで正しいと判断した根拠は

ダチョウ倶楽部結成時のダシャー整合や広川氏と婚約したタイミングの時運適合だ



(左から上島氏・現リーダーの肥後氏・元メンバーの南部虎弾氏・寺門氏)



ダチョウ倶楽部はこの4名で1985年に結成されたとのことだ



「土星-金星期」から「土星-太陽期」の頃に当たる



コメディアンであってもそれは職業でありより客観的なD10を照会すべきである



午前11時20分の出生であればD10は5室が非常に強い配置となり独立の機運を物語る




D10は牡牛座ラグナで土星が最良なヨーガ・カーラカとなってラグナロードと5室で絡む

金星と土星のコンジャンクション自体が良好な持続力や成長性を意味し

その絡みは牡牛座ラグナではラグナロードとラージャ・ヨーガが重合した厚い吉意を与える

そこに3室支配で「演芸・パフォーマンス」の月が更にコンジャンクションするため

ラグナ対9室やラグナ対10室の強力な絡みに自己表現の3室が関わって「芸人」の職能を示す



土星は射手座でヴァルゴッタマとなりD9でも木星が星座交換し定座するように働く所見だ



特にラーシで土星は月のディスポジターであり

月へ土星がアスペクトバックできるだけでなく

アンタルダシャーの金星がその位置に住むので有意な経験の起こる吉兆な時運になる



「土星-金星期」は配置の違いが天国と地獄を分ける両極端なダシャーとされるが

上島氏の土星が急激な発展を意味する射手座で支配星の木星に守られて金星も絡むため

無名な素人の青年だったダチョウ俱楽部が芸能界の登り坂を進む第一歩になったようである




上 島 氏 を 中 心 に 据 え た ダ チ ョ ウ 倶 楽 部 の 芸 風



ダチョウ倶楽部は3名で構成されるトリオ漫才であり

会話のキャッチボールから笑いの文脈を敷いていく話芸というよりは

即興劇に瞬間芸を散りばめた様式美としてのお笑いと言える







脈絡もなくふざけて見せるのは失笑を買うのでとりあえずの前振りで一芝居して

主に上島氏がオチを演出する “ イジられ役 ” として派手にリアクションし一つの芸になる



彼らより一世代前にもトリオ漫才はよくあったがあくまでも話芸として1名がボケて

両脇から残りの2名が攻め潰すようにツッコむという形式が伝統だった



ダチョウ俱楽部はツッコむ代わりに上島氏の曲芸的パフォーマンスを目玉にし

痛がった後に上島氏が怒声を張り上げてキレたり滑り気味な一言芸を「お約束」にして〆る




上島氏のキレ芸はラグナロードが3室(立ち振舞い)から2室(発話)に逆行する配置が表意する



火星は2室に逆行することで8室へとアスペクトバックするようになり

8室的な「秘めた激情」を露わにするという表現になり

本来の位置に木星と土星が対向してそれを諫めている姿を思わせる



土星は月のディスポジターで11室(友達・仲間)から見た11室目の9室に住んで強く働き

全てを丸く収める役割を担っており

おそらくは9室射手座の2惑星が肥後氏と寺門氏を指すらしい



私が両名をレクティファイしたところ─




このようになった





二人とも上島氏の月に木星を重ね月はケンドラ・トリコーナの位置関係になりラグナも絡む



お二人は月からの4室目や5室目に木星が住み

またその木星が本来のラグナから見た11室の支配星にアスペクトするので

とても面白い友達に恵まれてそうした出逢いから人生が動き出す運勢図になっている

また土星はケートゥが伴ってシャシャ・ヨーガにもなっていて

かつて下積み時代は壮絶な苦労と努力が連続した生活だったらしいことも伺える

(土星は抑圧をもたらすがケートゥがそれを打ち消してもいて「微妙なスランプ」を意味する)



上島氏の月は水瓶座に住み

奇跡的に3名それぞれの月が相互に吉意のハウスに住む関係で

上島氏の木星がお二人の月から2室目や3室目で定座するため

昔はプライベートでも上島氏がお二人に向かって元気よく声をかけていた様子が伺える



当たり前であるが長く続くコンビやトリオは最後まで水入らずの友人(11室 / 9室)なのである

だからこそ不意に「ボケろ」と阿吽の呼吸で合図されると上島氏は途端にスイッチが入るのだ




物 真 似 タ レ ン ト の 広 川 ひ か る 氏 と の 結 婚 や 志 村 け ん 氏 と の 出 会 い








上島氏は1990年に仕事で知り合って交際を重ねた現在の妻と1994年に成婚している





成婚した頃の「土星-木星期」はナヴァムシャでも強く吉意の実った良い配置が実現している



最初の出会いがあった時のダシャーは「土星-ラーフ-土星期」以降の頃だった

ラーフと土星は5室対9室の位置関係で互いにヴァルゴッタマで

結婚運が顕在化する分割図のナヴァムシャにおいて

ラーフのディスポジターの太陽は木星から4室目で見事に絡みが起きている



慶賀な結婚が果たされた「土星-木星期」の配置と絡みは

ラーシではまさに9室で物事が完結する優美な理想的経験を意味し

ナヴァムシャは7室と8室が星座交換し土星はその絡みに含まれてヴァルゴッタマである



特に結婚後の間もない私生活は水星期の開始時であり水星はナヴァムシャのラグナに住む

水星はナヴァムシャで2室5室支配の大吉星で対向から星座交換の木星が更に報恩を与える



きっと上島氏はその頃が人生の喜びの絶頂だったはずだ

水星は3室を支配して5室支配でラージャ・ヨーガの太陽と10室でスーリヤ・ブッダを組む



そして特筆すべき大きな交友が生まれたのが2000年10月24日からの「水星-太陽期」と言える






故・志村けん氏との出会いである









志村氏については私の師が精査した結果にそのまま従うこととするが

その場合にラーシの山羊座に吉星だけが惑星集中し

その山羊座とは上島氏のラーシで10室である



また面白いのがお互いの月とラグナの相性の妙というべき偶然だ



上島氏のラグナの背後に志村氏のラグナが在り逆に志村氏の月の背後に上島氏の月が住む




これは間違いなくお互いがお互いに「相手を自分の仲間にしたい」と思う相愛的関係である


志村氏の6室獅子座には土星が住んで上島氏の月と対向したり上島氏の4室へ逆行したり

同じくその6室支配の太陽が上島氏の月に重なったりしてしまい

明らかに上島氏にとって「余りにも恐れ多い雲の上の人」という様子でビビり上がる姿を示す



しかし実際にいざ語らってみるとあっという間にその距離が縮んでいくほど楽しい仲になり

上島氏もかつて自身がテレビで見て憧れた偉大な先輩と友人になってしまい

とても大きな一期一会の幸運に心から感謝したことだろう

(おそらくご両名の水星が山羊座で重なり合う配置で芸人的な感性が強く共鳴したようだ)




D10も水星と太陽が10室対7室でとても底堅い吉意の絡みになっている




この志村氏との邂逅を経てから水星期が終わるまでの10年強は

上島氏の人生で最良の時期であったと言える




マ ハ ー ダ シ ャ ー 金 星 期 到 来 後 に 遭 遇 し た 志 村 氏 の 急 逝



一昨年の3月29日に新型コロナウイルスにより志村氏が亡くなった時

上島氏のダシャーは金星期が始まって1年8ヶ月ほどが経つ途上にあった



金星は2室7室支配で完全なマラカとなりヴァルゴッタマの土星がアスペクトバックする



そもそも上島氏は芸人には珍しすぎるほどの深刻なケマドルマ・ヨーガを生まれ持っている

そこへ生来的にも機能的にも凶星の土星がアスペクトを返してしまう配置は致命的だった





志村氏にあやかって自身の酒席を後輩芸人で囲う会が上島氏により結成されて以降

上記のようなやり取りがあったことを知る限り上島氏は生来の「寂しがり屋」であるらしい



ナクシャトラもラグナはケートゥが司る「アシュビニー」で最も素朴で無欲な性格をもたらす



卑近な例で恐縮だが

前回でも話題の引き合いに出した私の相方もラーシのラグナがまさにアシュビニーであり

彼は月が相当に強いことも手伝い「一人上手でノンビリとしたお坊ちゃん」タイプの性格だ



上島氏は土星がラーシの9室でヴァルゴッタマになってしまうために

本来なら文化人的な教養や技芸で身を立てていくべき男性だったようだが

木星がその土星やラグナロードの火星に働きかけて吉意を与えた結果

不思議な才能が育っていく人生にもなりコメディアンの道を歩んだのである



しかし生まれたままの素顔の上島氏は「自分の友達でいてくれる誰か」が欲しかったまま

どんな関係であれいつかそれが途絶えてしまうことが怖くてたまらず

目の前の交友に入り浸るほど「友達がいつ居なくなってしまうか」を無意識に恐れていた



また太陽も月に対してやっと45度程度の距離であり即ち新月を通り過ぎたばかりの月だった




その月からケンドラに全く星が住まず土星だけがアスペクトする配置が氏の未来を奪った




「こんな自分を誰が分かってくれるんだろう」ときっと氏は諦めてしまっていた

本当に悲しく心が痛むことである



きっと氏は内気で弱いだけの自分が嫌いで

私生活とは180度違うマスコットを演じ続けて薄弱な自分を満たそうと努力し

見下されたり馬鹿にされてオモチャにされてしまっても「その方がいい」人生だったのだろう



自分の弱さを分かっている生き方ほど強く正しいことはないのだと思う

弱いままの自分でもそれが誰かを救える優しさになるのだから



弱いことは決して何も間違ってはいませんよ




上島竜兵氏の死は多く人々の心に深く驚きとわだかまりを残して行った



私もいつかはありのままの自分を偽らずに沢山の人とつながり

「今この人生はきっと良い答えが待っている旅の途中なのだから諦めてはいけない」と

励まし合える時を迎えたい



あ な た は き っ と あ な た で い い の で す



以上

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