昨年から最近にかけ複数回は鑑定依頼を下さった常連のお客様が
私からのチャート公開の提案をご快諾下さったので
今回は心してご本人様を紹介してみたい
末っ子として産まれ大人に従順だった私は少年期までは父親との関係も良好、
周囲からは優秀と認識されるも思春期を迎える19〇〇年(12歳)頃よりそれらの関係性に息苦しさを覚え始め、
活発に生きるかの同年代へのコンプレックスと異常な粘着性を見せ始めた父親の過干渉への嫌悪感と鬱屈の高まる日々の中、
19〇〇年(16歳)頃に視線・対人恐怖を自覚し、
今なお意識と肉体が剥離したかのような不具合による違和感に苦しんでいます
と自らを綴るこの男性は
早くから生家の実父との関係性に悩むようになり
未成年以降に患った心身の不調和が一種の持病になってしまっている
「生家の家族・両親」の2室を支配する土星は3室の方で定座して月とコンジャンクトし
傷つくと凶星化する月が深刻な抑鬱状態の所見になる
「実父との不穏当な軋轢」といった事実は
射手座ラグナで父親を指す9室支配の太陽がラグナでダーナ・ヨーガになり
対向7室からラグナロードがアスペクトバックしたスーリヤ・グル・ヨーガに
その原因が働いている
「母親」を意味する月や「父親」を意味する太陽がラグナに住めば
チャート本人が自身の兄弟姉妹に比べ親のどちらかに贔屓してもらえたり
あるいは過保護気味に扱われて不自由になることも意味する
このお方の場合
太陽が9室を支配して「父親」の象意が強調される射手座ラグナで
木星のアスペクトバックを受けてラグナに住んだ太陽が
「常々やたらと息子のことを意識して粘着する父親」という悪い所見を作る
( 射手座ラグナで強くなった太陽は「父親が普通ではない」ことの兆候になる )
加えて
「両親」を意味する2室支配の土星が月を苦しめて心的な鈍麻を強いるため
特に父親の執着がプレッシャーになって心身を混濁させる病的傾向となる
ナヴァムシャも同じ条件が繰り返される様子で
月の方が2室を支配して8室9室支配の土星と10室でコンジャンクトし
「家の外で過ごす時ほど抑鬱感状が重くなり父親に対する嫌悪と忌避が募る」という
相当に深刻な心的不自由が見受けられる
19〇〇年(16歳)頃に視線・対人恐怖を自覚し、
今なお意識と肉体が剥離したかのような不具合による違和感に苦しんでいます
ご本人が16歳を過ぎた頃には
ダシャーが「木星-ラーフ期」で土星期に向けダシャー・チッドラが起こっていた
土星期は約20年の長さであり
実父から受ける悪影響も含めた精神減退は実に30代半ばを過ぎるまで続いたのである
出生時刻を数分ほどレクティファイした結果のシャスティアムシャは
ラグナロードの水星を巻き込んで太陽と木星が星座交換し
そこに9室支配の土星も含まれる
即ち
ご本人のメンタル ( 4室も支配するラグナロード )や社会運( 7室10室支配の木星 )が
土星の持つ8室支配の象意とともに実父( 9室 )の影響で強く損なわれる様態になる
木星との星座交換で仮想的に定座した太陽( =父親 )はケートゥのディスポジターに当たり
潜在的なスーリヤ・ブッダ・ヨーガで特殊な感性と知能を備えた珍しい座相でありながら
長い経年の中で「実父に執着され利用され裏切られる」という関係性を体感させられる
( ケートゥは「裏切り」を意味する12室の表示体である )
木星がケートゥとコンジャンクトすると間接的なグル・チャンダラ・ヨーガにもなり
ラーフが「父親」の9室に住むことからもその因縁の根深さは尋常ではない様子である
生きづらさが常態化する、正に変容が始まる事になった根本的な要因とは、
私にとっても『父親』の存在によるものとずっと考え続けてまいりました
過干渉や抑圧から社会的な成長を大きく阻害されてきたとの認識はどうしても拭えず、
けれどもむしろ己の捉え方や性根こそがおかしいのではないかと自罰的な反芻を繰り返すのもまた常でした
と過去に鑑定後のご感想で述べられた通りの傾向が
シャスティアムシャでは顕示されてあるのが分かる
一浪して入った○○に在する某私立大を下宿させてもらい、
一留して卒業後の19〇〇年(〇歳)に××内の独立系ソフトウェア会社に就職するも数年後、
社内リストラの対象となりました
その後に至る職歴の展開は統合性を全く欠く方向性の無いまま漂い続けるものとなり、
言い訳と存じながらも父親の存在を意識する事で本当の自らの決断意思を阻まれた部分が確かにあったと感じています
正式内定獲得後に数年を経て水星期を迎えた社会人時代は
主要な各チャートでも精神的困難とは違った不遇の年月だった
ダシャムシャはマハー・ダシャー・ロードが12室に住んで土星にアスペクトバックされ
月から見ればそれは2室11室と7室の強い絡みで最悪というほどでないが
至極人並みに雇われて働くことが不思議なくらい叶わなかった頃である
ナヴァムシャは
このように「停滞・妨害・途絶」の8室に住んだラグナロードがマハーダシャーで
木星が4室乙女座に逆行して水星に生来的吉意をアスペクトするが
肝心な10室の支配星たる木星は絶望的な凶兆で深く傷ついた悪相で
対向でラーフとコンジャンクトして定座した極悪なマラカの火星と相対し
逆行すると8室9室支配の土星との相互アスペクトで「職業運皆無」と言う外ない座相である
ラーシは
端的に最も厳しい冬の時代の到来を告げる「7室10室支配の12室在住」で
トドメでも刺すかのようにコンジャンクトしたケートゥが高揚する
その後に至る職歴の展開は統合性を全く欠く方向性の無いまま漂い続けるものとなり、
とご本人の述懐する事実は
その当時の日常を本当に正しく記した言葉であると分かる
しかし一方で
「性格上の特徴や実際の言動」を示したアクシャヴェーダムシャでは
むしろ水星期は私的な趣味と勉学が捗る「隠居の一時」と言える吉相であり
12室も支配するラグナロードがラグナの木星と星座交換して定座の水星と対向し
職業運そのものは悲壮感ド真ん中であっても個人的な営為がひたすら成長する頃である
高校生の頃いわゆるオタクだった私は、
音楽が趣味の同級生から侮蔑され反抗心から楽器演奏を始めました
元々は楽器の演奏などは全く興味無く、
高校生の頃はマンガ・アニメなどに嵌まるオタクであり、
その頃ブームだった高橋留美子熱から、
彼女及び錚々たる面子を輩出した故・小池一夫率いる『劇画村塾』に入塾しよう
などと友人と語らう小僧でありました
描き続ける努力の才能に諦めを感じていた私は、
手や指先を用い瞬間瞬間に気持ち良さを感じる事の出来るこの新しい趣味が、
練習も意外と苦にならないものだと気づきました
音楽を聞いて演じて味わう世界観の醍醐味も素晴らしい文化であり、以来続けております
とか
〇年ほど前、
四柱推命に興味を持っていた私は命式作成のため母子手帳を探し出し、
その記載時刻を根拠にした記憶がございます
と自己紹介して下さったそのお言葉から
十代の時点で水星期に向けた成長の伸び代が芽生えていたことが伺える
水星期はラーシの月をラグナにするとちょうど水星が10室目になり
ケートゥが高揚の威力で10室的な成長力を奪うが
12室的な内向状態でライフワークに没頭するには最も向いている時運でもあった
従って水星期以降から東洋占星術の独習に勤しんだり
場合によっては音楽( ギター演奏 )を存分に楽しむ習慣が形になり始めたはずである
(水星がラグナになると火星が3室で金星とコンジャンクトして高揚し「音楽活動」を強く促す)
シャスティアムシャは
この頃が人生に最も影響する「ラグナロードがマハーダシャー」の時運で
スーリヤ・ブッダ・ヨーガとスーリヤ・グル・ヨーガが並立し
「抽象的な非現実の事象」を意味するケートゥのディスポジターは星座交換した太陽である
「自己表現・訓練」の3室がとても強く働いて
この時こそ今生で最も個性的だった印象すらある
10室では吉意最上な高揚のマラヴィア・ヨーガが生じて太陽と木星の星座交換に関わるため
間違いなくこの時期に算命学や四柱推命を実践したり
それ以外にも音楽等のライフワークが充実した私的幸福感の厚い時運だった
金星期へ向けた跳躍と飛翔
今回の依頼者様は「ケートゥ-水星-ラーフ期」がちょうど始まったタイミングで
今年7月上旬からは待望の金星期が始まる
金星がラグナになると
山羊座ラグナで至高のラージャ・ヨーガ・カーラカへと金星が良化し
コンジャンクトした高揚の火星は「自営業者としての成功」を確約する4室11室支配である
ルチャカ・ヨーガの火星が猛るような前進と突破力をもたらし
コンジャンクトしたヨーガ・カーラカの金星が
更に火星との間にダーナ・ヨーガとラージャ・ヨーガを繰り出して威力が増幅する
「俺はまだ本気を出してなかっただけだ」と笑顔満面で言い切れる絶頂運がやって来る
ナヴァムシャはラーシのそれを上回って補ってしまうほどで
機能的にも吉星の金星がラグナに住むことでナヴァムシャ全体が励起され正しく発現する
ラグナには火星も土星も触れられず太陽は堂々と3室で定座し
ラグナには7室10室支配の重要な木星のみがアスペクトする
更にまた
ダシャムシャはナヴァムシャのそのまた上を行く猛威全開の吉相で
ラグナで高揚したマラヴィア・ヨーガになってナヴァムシャ同様に分割図が励起される
独立の機運を見積もれるエカダシャムシャは
4室水瓶座に金星が住んで7室12室を支配し
コンジャンクトしたラージャ・ヨーガの木星が星座交換まで起こし
一つの分野を代表するコンサルティングのような専門技能を披露する所見となる
再見したアクシャヴェーダムシャはより華麗な吉相を誇り
太陽が定座した7室獅子座で金星がヨーガ・カーラカとなってコンジャンクトし
それらに加わる火星は水瓶座ラグナで重要な3室10室支配である
そして
シャスティアムシャは
ナヴァムシャ・ダシャムシャを総括した結果を示すかのようであり
5室12室支配で高揚したマラヴィア・ヨーガの金星に太陽が星座交換で働きかけ
あたかも10室魚座でハンムサ・ヨーガが並立するが如くの吉意絶頂な極致的所見を誇る
しかもその魚座は月から見た11室目である
間違いなく
このお方はこれから3年以内に私と同じように個人事業を創始し
それもずっと短い時間で私を追い抜いて行くことだろう
今回の鑑定を受けご本人から以下の通りお返事がいただけた
これまでに培ってきた己のやりたい事、やるべき事を精査して
その為こそに残命をかけての人生を送ってまいりたいと思っています
幾つか妄想する未来像がございます
①外国人の方々と交流してみたい気持ちが多分にあります
自分とは全く異なるであろう彼らの人生感、肌感覚にいたく興味を覚えます
②健康面や心身の維持に、合気道といった力を重視しない武道をいずれ経験したいと思っています
③習得したい知識、技術として整体やマッサージなどの技能職に惹かれる部分があります
ある程度年齢に関係無く続けられ、他者に喜ばれながら収入を得られるのならば悪いものでは無いかな、と考えております
音楽は一生携わる趣味と捉えています
止める事はあり得ません
自己の内的発露の手法として私にとって最たるものと認識し、いずれのネットを使った発信も夢見てしまいます
きっとそれのいずれにおいても大きな成果と達成感が実ることは間違いない
「人生は後になるほど良いことがある」
ってハッキリ分かんだね
またこのお方がお声がけ下さるその時を
心待ちにしている私だった
以上
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