木星が水瓶座に住んでいる私は
生来的吉星の影響で水瓶座の概念である「融和や合一の中の自由」という美意識が快く
この世界が還流のようにグローカルな可変性で柔軟になってくれると思っている節がある
しかし実際にはこの10年強でSNSの個人間対話が当たり前になり過ぎたことで
所謂「ノイジーマイノリティ」が対話など完全に無視した言葉の暴力を自覚的に行使し
故意に自身の私生活を見せつけ言葉にし切れない感情をまき散らしたい「無秩序」が広がった
明らかに水瓶座の未熟な負の側面が今は実践され見える化される途上であり
留まったままの価値観と感情の汚濁が正しい方向性を得て流れていくのを待つ時だ
「誰かと繋がれる広場」のようなネットのコミュニティで
「誰とも繋がれないこと」をわざわざ嘆きそれを思想にして自己目的化する不幸なネチズンは
私自身も共感できてしまうようなアダルトチルドレンの人種がほとんどであり
やはりジェンダー的な成熟が阻害されてしまったらしい一部の女性がその主体であるようだ
身も心も裸になって気持ちよく交流できるはずの水瓶座的な場所で
「自分を正しく所有できていないこと」を責任転嫁し言葉の凶器にしてしまう彼ら
その素顔は「ジェンダーの開放」を装いつつ実際は既存のジェンダーを粉砕したい意思を隠す
既知の秩序の中で無事に良い経験を積み “ 都合良く自己実現 ” できた立場の人々を攻撃し
「お前に私の人生など分かるか」という自壊の感情を剥き出しにしている様子が時折見られる
こうした状況において占い師の果たすべき役割はやはりとても重要である
結婚や恋愛を扱う記事を拾ったネットニュース等ではコメント欄が幼稚な口喧嘩の場になり
赤裸々な独白を許されるはずのSNSが治安の死に絶えたスラムのようになっているからだ
どこに居ようとボーダーレスな自由が素朴な感情の吐露をわざと侵害する悪意の温床になり
本当に傷ついている人を救うことがこれでは永遠に出来ないままになる
だからこそ依然マイナーな占術であるジョーティッシュには恋愛相談が多いようだ
今回は以前に挙げた「結婚に支障を抱えたチャート」とは鏡合わせになるような
「出逢いには恵まれたが違和感が消えずその縁を絶ってしまった」例を紹介したい
この女性はご覧の通り個性的なナヴァムシャを生まれ持っているが
ラグナロードが生来的凶星の火星となって「別離」の11室で土星・ケートゥと同居する
蠍座ラグナは火星が6室も支配するので6室の結果である11室ではその象意が実ってしまう
彼女の7室8室は別の記事で扱った例同様に吉星が連なり星位も強く良好な出逢い運を持つ
恋愛の表示体である金星は7室でマハープルシャとなりそこへ木星が逆行してきて
アンタルダシャーが金星期の頃は本人が驚いて困るほど異性が「降って湧いて来る」所見だ
この7室8室に対する経年の変化を物語るのが11室乙女座の配置であり
ラグナ対4室のラージャ・ヨーガが凶星同士で生じケートゥが更に理性を促した女性星座だ
見えない所でも厳格な自己管理的ルーティンを崩さず寡黙に自分を練磨している様子だが
逆行の木星が牡牛座からアスペクトして吉意で乙女座を中和する好影響で
普段の彼女は大学の事務員か上級公務員のような質素な真面目さが伝わって来る印象だろう
しかし外見上の彼女はこれまた随分と異なっていて
月の住む水瓶座をラグナにすると2室では7室支配の太陽とラーフがコンジャンクションする
その2室が魚座であることも手伝い
太陽の象意する幅広い層の男性が理性を失ってしまう(魚座は水星が減衰する)ほどの
日本人離れした独特の容姿(ラーフの影響)がかなりの魅力を帯びている所見にもなる
(双子座で逆行の木星が月にアスペクトしたり本来の2室にアスペクトバックするのも有意だ)
7室の支配星が2室でラーフとコンジャンクトするのは
8室の支配星がラグナに住むのと同じで早い話が「不思議で不可解な因縁」を指す
彼女には自覚が無くとも癖のある容姿が奇特な色香を醸してしまうらしいのだ
ここでとても重要なのが月をラグナにした場合の8室乙女座のコンディションである
月をラグナにすると8室乙女座は凶星だけが住み「劣等感情の強い女性」からの敵意を指す
水瓶座と乙女座を本来のラグナと月からそれぞれ対比すると
火星は本来のラグナロードで土星は月のラグナロードである
その2つが乙女座でコンジャンクションしており
どちらも彼女自身を指す重要な星であるが
単純に月から見た8室目で3室と12室を支配する生来的凶星が同居するのは
凶意の経験が複雑に作用し合いヴィーパリータ的な影響となって
あまり有益な経験を与えないまま更にそれをケートゥが抑制する曖昧な配置だ
何か災難があるようでいて覚悟を決めて忍耐強く人と関わるが
ケートゥが8室の象意を否定するので結果的に痛手を負わないことになる
8室と12室が関わるのはスパイや裏切り者が本人の傍に隠れているイメージである
要するに一昔前の漫画やドラマで見られたような
「真面目な美人の後輩を陰でやっかんでいる年長の女性」が彼女の周囲には実在したのである
それこそ私が冒頭で述べた如きジェンダーフリーを勝手に推進するお局様各位が
彼女を一方的に見えない所で “ 総括 ” し次の行動対象に決め込んでいるらしい
月から見ると吉兆なヨーガ・カーラカの金星が4室で9室の象意を存分に発露し
5室には2室11室支配の木星が11室へアスペクトバックしながら金星へ逆行する
何事にもひた向きでコツコツとその人間関係を大事にし
結果的に立場の異なるあらゆる男性からその女性的な優しさと真面目さを褒めちぎられ
一個人としての有能ぶりがジェンダー的な魅力と地続きになってしまう厄介さが伺える
育ちの良く垢抜けた容貌の後輩が実際に優秀だったら嫉妬したくなるのも一応は理解できる
しかしそんな感情は所詮ただの体感的な思い込みであり
相手の人間的正体を知らずしてその劣等感だけを育てるのならばそれは立派な悪意である
こうした間接的な迫害を少しづつ受けてしまったり
周囲の男性が自分の持つジェンダーだけを追求してくることが彼女は心の底から嫌になり
せっかく結婚し私生活を育むだけの自由があったその余生を彼女は諦めてしまった
結局は誰も彼女を理解しなかったのかも知れない
私が思う本当の社会的被害者というのは彼女のような立場の方である
いつの世も他人というのは悲しいほど単純で
見えていることだけが全てである
何かに優れていて長所を与えられていることだけが個性であり価値なのである
占断を通じ彼女は私に対し若干の過去を話して下さったが
やはり成人するまでに彼女は生家の両親が離婚していたとのことだった
その後に父親が別の女性と再婚し血縁ではない兄弟を持つという境遇で彼女は大人になった
(それを知り改めて彼女のラーシチャートを見直すと
機能的にも凶星化した土星がラグナで月とコンジャンクションし
ガージャ・ケーサリになっている以外には月のケンドラに星が住まず
4室には吉意の保護が一切起きていない配置となり
金星は乙女座でケートゥとコンジャンクションし減衰しているが
ラグナロード自体は2室在住で星位が良く凶星のアスペクトが無かった)
おそらくはそうした家庭内の私生活を他人に気取られるのが恥ずかしく
本気で努力を重ねていった結果どんどん彼女は人間的に成長し
女性的なジェンダーに頼った自己実現とは距離を置いた大人になったつもりでいた
しかし結果的にはそれが間違ったカルマ的な経験ばかりもたらし
「どこにでも居るような普通の女性」を演じた結果
それが男性から見て女性的な魅力に満ちたキャラクターとなってしまい
明朗で愛嬌もある健全な女性らしさが劣等な同性から忌み嫌われたのである
彼女は私的プライベートを自由に過ごすことよりも
余暇で慈善事業的な副業を希望しており
児童養護施設や障碍者施設でボランティアもしてみたいとのことである
素晴らしい方だと思った
不幸に溺れてしまわずにその試練に耐え抜き自らの強さに変えることが出来ている様子だ
不遇な境遇に生まれ落ちた者は
自分が「どうやら人並みとは違っているらしい」と気づくまで時間を要するし
日頃の人間関係で自分が弱く惨めな立場であることをひけらかしたりする訳がない
だからこそ人並み以上に自分らしい人生を目指して努力するだろうし
その結果で実った評価や地位自体もまた「裸のままの自分」などではないのである
それは私や私の実姉とて同じことである
数ヶ月に一度は両親とも怒鳴り合って大喧嘩しているような家の中で勉強せねばならず
下らない私事から人と争って隣町の裁判所で有名人になっている男を父親に持ち
起訴された相手が嫌がらせで掛けてきた電話に私が出てしまい
「あんた年はいくつなの?あんたのお父さんはスゴい人なんだよ」と散々な脅しを聞かせられ
自分の所有するアパートに住む韓国人を馬鹿にした父の物真似を見せられながら夕飯を食べ
テレビをつければ有名人をけなすような口ぶりで盛り上がっているような
それくらい恥ずかしい家に生まれた子供が私と姉だ
こんな私生活を正直に他人に話す方がどうかしている
だから私はそんな父のような大人になりたくはなかったから
高卒の父親をずっと上回る学歴が欲しくて都内の有名私大に受かるだけの勉強をしたし
実姉は幼い頃に父にDVされた過去を抱えながら母の管理下で中学受験から猛勉強し
都内で大正時代末期から続く名門女子校に合格し
高校卒業後は母が出た服飾デザインの女子大を出て都内でアパレルショップの店員になった
私も姉も自分なりに普通以上の人生を頑張って目指していた方である
しかし我々は自分の生き様を鼻にかけることなどとても出来なかった
本当に優れた者同士が集う場では
物心両面に恵まれて育った物質的な意味での真の「勝ち組」が沢山居るからである
そんな世界では恵まれた者がより良い経験を遂げるのはごく当たり前であって
「経験できていないこと」が「自分を所有できていないこと」になり劣等扱いになるだけだ
私でさえ一時期はこの世の中を憎んで生きていた
出来ることなら思い切りそれまでの自分を壊してしまいたかったが
非力で不器用で喧嘩する勇気もない私には不良の物真似など務まらなかった
誰にでも一度はその人生で自分を諦めたくなる悔しさと惨めさの只中を通る時がある
醜い自分を認め自分と対話する術を身に着けられるかどうかで残りの人生は決まっていく
やはり今この社会には自分の弱さや曖昧さを誰かのせいにしたい言葉が未だ溢れている
本当に弱いままであれば世界を拒絶し自ら語ることを選ばないはずである
自らを変えていく覚悟が持てないまま誰かを傷つけたいだけの愚者の自己弁護でしかない
ありのままの人生を言葉にすることがあまりに恥辱的だから自分を棚に上げるのだろう
これは性別など関係ない自己責任の問題だ
自分の弱さを性に結び付け思想に仕立てる連中は私からすれば本物の卑怯者である
全ての人間に対しカルマは平等に働く
そのカルマを正しく解きほぐし真の自分を目指すことは遅くないうちに始められるべきだ
経営者として無能なだけの私はもちろん社会では信用されないままの男である
ただしジョーティッシュを通じてなら人を助ける仕事が出来る自信は捨てないつもりだ
いつかは本当に正直な人々と語らい「自分をやり直す」場所を作れる仕事がしてみたい
占いであれば弱く惨めなことは最も強い武器になるのだから
辛いのはけしてあなただけではないのです
以上
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