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チャート上の相似─これからジョーティッシュに縁を持つ青年の未来

執筆者の写真: 鹿村文助鹿村文助

更新日:4 日前






先週末に鑑定希望を下さった新規依頼者様が

偶然にジョーティッシュに興味をお持ちの方で

なおかつこれまでで最年少のお客様だったので

ご本人に許諾を得た上で紹介してみたい









*****



私は現在大学にて情報工学について学んでいるのですが、経済学への興味が湧き、他大学の経済工学部か経済学部への編入を考えています
このまま同大学を卒業するか、大学院に進んでITや工学系への道へ進むか、他大学へ編入して金融関係の職を目指すべきか悩んでいます


とのご相談内容で始まった今般鑑定依頼は

吉意順当で不安も無く満額回答に終始できた案件になった





「他大学の経済工学部か経済学部への編入」をお考えのご本人は

基礎運たるラーシではそうした性格上の特徴が伺えず

一見して惑星集中のラグナが蟹座であり文化人的な思想家の印象だった





対するナヴァムシャは逆にご本人の秘めた特質が鮮明に描かれてあるようで

「高品位な管理技能・特殊な専門性」等が結実した乙女座と水瓶座の星座交換を誇る



その水星土星の星座交換は

本来のラグナからでは4室対11室の結びつきで明確に「卓越した地位」を明示し

月からでは4室対9室( と8室 )で研究者としてのキャリアが現れている



水瓶座が吉意のハウスに位置して強ければハイキャリアな自己実現を可能にさせ

純真な学究心が水瓶座の象意そのものように働いて「学際を横断して学ぶ」傾向を作る



概してこの依頼者様は「情報工学でも政治経済学でも十二分に本質を掴む」はずで

むしろそのどちらかに志向の幅を絞ってしまうのがもったいないほどである





そして最も注目するべきは太陽の「配置の妙」と言える所見で

11室で土星が定座並みの配置であるにもかかわらず「12室で減衰した10室の支配星」である





それに対するラーシの太陽の配置との相違こそ

当意即妙にこの彼の進路を強く予兆する根拠であり

2室支配の太陽がラグナでダーナ・ヨーガになってスーリヤ・ブッダも備え

なおも水星がディグバラになって12室へと逆行し定座する異様な強さは

ご本人が相当に特異な資質で成功する技巧派の大成者たることを物語る





学生であることから鑑定時は無視してしまったダシャムシャをよくよく眺めると

やはりこちらでも配置が矛盾した特殊な座相になっており

肝心なラグナロードは太陽と共に12室でコンジャンクトしてしまい

一方で10室支配の火星と11室支配の金星が5室11室軸でダーナ・ヨーガの星座交換を繰り出す



少なくともこれまで私が拝見してきた様々な鑑定希望者様のダシャムシャにおいて

最も特殊で最も優れているという印象である



この所見からも

今般ご依頼のこのお方は「サラリーマンにはならず学識者( 教授職 )になる」ことが見えている







私はためらわずに



〇〇様の太陽は
「前半生のチャート」と「後半生のチャート」では配置の示す意味合いが相反したように見えますが
それらの所見が持つ経験の結果そのものは矛盾しないように働くことになります
即ち
「前半生のチャート」では〇〇様の太陽は運勢図の最初のハウスである1室目に住み
「後半生のチャート」では逆に運勢図の終わりのハウスの12室目に住みます
なおかつ後者の運勢図の太陽は星と星座が持つ相性の良し悪しで太陽にとって最悪な星座(天秤座)であり
それも12室というのは「覗くことが出来ない隠れた場所での時間や経験」を意味します
「覗くことが出来ない隠れた場所での時間や経験」というのは
早い話が大学院やシンクタンクを指していると判断できます
従って
大学院進学が運勢図上でも最も相応しい将来像だと言えます


と満額回答した




青年期後半に訪れる「占星術への接近」






今回のご依頼者様は現在「金星-水星期」で3年後には太陽期に移って行く



つまり再来年の初夏からダシャー・チッドラが顕在化する途上に在る





改めて

ご本人が太陽期に研究者として爆速で突進していくのがよく分かるのはD60であり

「高等教育( 学術研究 )」の9室を諸般の学校施設の表示体でもある太陽が支配し

太陽は9室から9室目でその結果のハウスの5室で高揚する今生最高の時運を経験する

( しかも太陽はナクシャトラ上で定座してすらいる! )





その後に迎える月期は特にシャスティアムシャにおいて大きく境遇が変わる所見で

8室で定座した月には6室11室支配の金星がコンジャンクトし

不意な恋愛や結婚に向けた奇遇が起こり得ると同時に

太陽が司る5室的な爆発的成長とは異なった「無心の専念」と言える8室定座の真髄に出会う





定座の月自体をラグナとした場合

キツいマラカだった金星は若干マイルドな4室11室支配になり

月の4室目の天秤座には惑星集中が起こって

その中に水星と木星が含まれることから

月期になって少しする頃には

ご本人が全く新しい学習指導や教則のビジネスを始めていると判断できる

( 高揚した太陽が月の2室目を支配して10室目に住むのだから間違いなく経営者である )





改めて見たナヴァムシャの月の位置を眺め

「・・・アレ?」と思った私はその配置の奇遇に気がついて

独りでまた勝鬨を挙げてしまった





ご本人のナヴァムシャの8室が

そのまま私のナヴァムシャのラグナになって

木星が住んでいるのも同じである





のみならず

天秤座で太陽が減衰し乙女座で星座交換が起こって水星が高揚する配置も同じになる





この彼のナヴァムシャの月は「9室支配で8室に住む」ことや

木星が2室にアスペクトバックする影響が決定打となって

これから10年ほどを経た頃にわざわざ私からジョーティッシュを学んでいるらしい



念のためラーシも診ておく





やはり

こちらでも月の配置の強さに感心させられる以上に

それが私のよく知る人物を指していたことにも気づいた





この通りである







このご依頼者様はラグナロードが10室でチャンドラ・マンガラ・ヨーガを組んで

火星の方は「ディグバラを獲得したルチャカ・ヨーガ」という激烈な座相を誇り

月はもう一つのラグナであるため牡羊座の性格が相当に強く出た所見となる



月がラグナになると本来のラグナが「惑星集中した4室」の蟹座になり

火星がアスペクトして蟹座を励起する影響がマハーダシャーの月期以降に現れてくる



従って

月期になる頃にはご本人が既にジョーティッシュの知識を網羅して鑑定士になっているか

少なくともかつての私のように秀吉氏からジョーティッシュの多くを会得しているはずだ





彼が月期を迎えた頃

私は今のマハーダシャーの木星期がダシャー・チッドラし始めて土星期の影響が働いている





10年後の春には

私のナヴァムシャがまるで木星期の集大成を飾るかの如く

4室の金星( ラーフのディスポジター )とラグナの木星が強く絡む



金星と星座交換したラグナロードの水星は木星のディスポジターなので

木星とラーフ( または金星 )のダシャーは私の公私においてかなり運気が動的になる





土星はダシャムシャの12室で高揚することから

私のジョーティッシュのキャリアが木星期までで一旦は終わってしまう運命であり

それまでの軌跡と実績を後進に委ねるべく気力を尽くして大仕事に取り掛かる様子だ





その未来においてはこの依頼者様が私を相手に師事しつつも

月が明確に第二のラグナとなって働くからには

おそらく大学等での研究職に在籍する傍らでジョーティッシュを実践するらしい





ダシャムシャでは

月をラグナとした場合に6室蠍座で星座交換して伏在する火星が月にアスペクトし

やはり月から見ても5室支配の金星と11室支配の火星がダーナ・ヨーガの星座交換で

「全く未知の取り組み」としてジョーティッシュの実践に孤軍奮闘( 6室 )するかのようだ





師のダシャムシャにおけるその未来の様子を伺うと

またも面白い符合が見えており

依頼者様のナヴァムシャとラグナが同じになり

月の位置も師のダシャムシャの月と重なっている



そして

師のダシャムシャでは10年後の年末頃に木星が月の対向位置に逆行して時運が絡む



9室支配の月が8室に住むこと自体は「現役リタイア」を強く指し示す所見で

10年後の時点で師はそのジョーティッシュの実績をアーカイブとして公開しているのだろう




師も私も安堵しているのかも知れない




飽くまでもこの未来予想は私の独断と偏見による見立てである



これからは

いずれの占いも正しい知見ほどAIに集積され天気予報のようにオートメーション化していく



今後10年と待たないでも高度な占断技術は平易な趣味と教養のためのライフハックとなり

師や私が長い歴年の時間で体得した成果をとても早く合理的に学べる未来が訪れるだろう



「占いが神秘の妙技ではなくなる」という未来において

より簡便に未来を予想できる手段になるよう周知する営みに取り組む若年者が

少なからず現れてくれるらしいことが見えた一件となった




全ての出会いに感謝




以上

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